トスカ

作曲:ジャコモ・プッチーニ

原作:ヴィクトリアン・サルドゥの戯曲『ラ・トスカ』

台本:ジュゼッペ・ジャコーザ、ルイージ・イッリカ

初演:1900114日、ローマ、コスタンツィ劇場

tickets & info

第一幕

西暦1800年、ローマ。脱獄した政治犯チェーザレ・アンジェロッティが教会に駆け込み、礼拝堂に身を潜めた。彼の姿が見えなくなると堂守が登場し、続いて画家のマリオ・カヴァラドッシが入ってきた。彼はマグダラのマリア像を描き始める。マリアは、アッタヴァンティ侯爵夫人をモデルに描かれていた。カヴァラドッシは彼女を教会で見かけただけで、名前も知らない。絵を描きながら、彼は自分の恋人である黒髪の歌姫トスカと金髪の侯爵夫人を比べた(“Recondita armonia” 「妙なる調和」)。政治犯アンジェロッティは、かつてのナポレオン支持政権の一員だった。危険を冒して姿を現すとカヴァラドッシは旧友であった彼に気づく。カヴァラドッシは彼に食べ物を与え、外でトスカが彼を呼ぶ声がすると、再び礼拝堂に隠れるよう促す。恋人の様子を怪しんだトスカはあれこれ質問したあと、彼の別荘で今夜会う約束を忘れないようにと念を押す。そこで突然、彼がアッタヴァンティ侯爵夫人をモデルにしてマリアを描いていることに気づき、不実をなじる。しかし、彼はトスカに愛を誓って安心させる。トスカが帰っていくと、再びアンジェロッティが現れる。その時、彼の脱獄を知らせる大砲が鳴り響いた。ふたりはカヴァラドッシの別荘へ逃げた。堂守が聖歌隊の少年たちとともに登場する。ナポレオン軍に対する勝利を祝う日に備えて「テ・デウム」の練習を始める。聖歌隊の熱狂的な歌声はスカルピア男爵の登場によってさえぎられる。彼は秘密警察の総監でアンジェロッティを捜索中だ。トスカがカヴァラドッシに会いに教会に戻ってくると、スカルピアはちょうど見つけたアッタヴァンティ侯爵夫人の紋章が入った扇をトスカに見せる。浮気の疑惑が本当になったと思いこんだトスカの目から涙が溢れる。トスカは仕返しを誓い、信者で溢れかえる教会をあとにする。スカルピアは彼女がカヴァラドッシに会うまで尾行するよう部下に言いつける。彼は画家が逃亡犯をかくまっているに違いないと睨んでいる(“Tre sbirri… Una carozza…”「警官三人……車一台……」)。テ・デウムを歌う信者たちの声が響く中、スカルピアは、トスカを我がものにしてみせると宣言する。

第二幕

ファルネーゼ宮殿の一室では、スカルピアがトスカを言いなりにして楽しむというサディスティックな妄想に耽っている(“Ha più forte sapore”「手荒な征服のほうが面白い」)。密偵スポレッタが入ってきて、アンジェロッティは見つからなかったが、カヴァラドッシを連れてきたと報告する。スカルピアが画家を尋問していると、宮殿内で開かれている王室晩餐会で歌っているトスカの歌声が聞こえてくる。スカルピアは彼女を呼びに行かせ、拷問に連れて行かれるカヴァラドッシと入れ替わりにトスカが入ってくる。スカルピアの尋問とカヴァラドッシの悲鳴に震え上がり、トスカはアンジェロッティの潜伏先を明かしてしまう。拷問で痛めつけられ、失神寸前のカヴァラドッシが運び込まれてくる。アンジェロッティの居場所がばれたこと知ると、彼は激しくトスカを非難する。その時、スキアッローネ士官が駆け込んできて、驚いたことに、マレンゴの戦いでナポレオン側が勝利したと告げた。つまりスカルピア側は敗北したのだ。カヴァラドッシは専制政治に対する反対を叫び、処刑のため連れ去られてしまう。スカルピアは平然と夕食を続けながら、トスカに向かって、自分のものになるならカヴァラドッシを釈放してやろうと提案する。言い寄るスカルピアに抵抗しながら、トスカは芸術と愛に人生を捧げてきたことを神に訴える(“Vissi d’arte”「歌に生き、愛に生き」)。スカルピアは執拗に迫るが、そこへ密偵スポレッタが現れ、追い詰められたアンジェロッティが自殺したと報告する。そうなるとトスカに残された選択肢はスカルピアに体を許すか、恋人を失うか、どちらかしかない。やむなく彼女はスカルピアの申し出を受ける。スカルピアは、偽の処刑を執行してからカヴァラドッシを自由の身にするという命令を与えたように、トスカに見せかける。スポレッタは退出する。スカルピアがトスカとカヴァラドッシの通行証を書き上げたとたん、トスカはテーブルにあったナイフで彼を刺し殺す。スカルピアの手から書類をもぎ取り、トスカはそっと部屋を出て行く。

第三幕

夜明け間近、カヴァラドッシはサンタンジェロ城で処刑を待っている。トスカに別れの手紙を届けてもらうよう、看守に賄賂をつかませる。数々の愛の想い出をたどるうちに感極まって、悲嘆に暮れる(“E lucevan le stelle”「星はきらめき」)。そこにトスカが現れてこれまでの一部始終を話し、ふたりは自由な未来を思い描く。銃殺隊がやって来たので、トスカはカヴァラドッシにじょうずに死んだふりをするよう念を押して姿を隠す。兵士たちが銃を発射し、いなくなったので、トスカは早く逃げようとカヴァラドッシを急かすが、彼は動かない。銃弾は実弾だったのだ。トスカはスカルピアに騙されたことに気づく。殺人罪でトスカを逮捕しようと、スポレッタが走ってくる。トスカはスカルピアの名を絶叫し、城壁から身を投げる。