ナブッコ

作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ
台本:テミストークレ・ソレーラ。原作はオーギュスト・アニセ=ブルジョワとフランシス・コルニュの戯曲『ナブコドノゾール』
初演:
184239日、ミラノ、スカラ座

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登場人物

・バビロニア人

ナブッコ:バビロニア王

フェネーナ:ナブッコの娘

アビガイッレ:ナブッコが奴隷に生ませた娘

バアル教の大司教:バビロニア人が信仰する宗教の指導者

 

・ヘブライ人

イズマエーレ:エルサレム王の甥

ザッカーリア:ユダヤ教の祭祀長

レヴィ人:ヘブライの司祭階級の人々

 

 

第一部

エルサレムにあるソロモンの神殿。ヘブライの民は、エルサレムに侵攻して破壊行為を行っているバビロニア王のナブッコ(ナブカデネザル)から我らを救いたまえ、と祈りを捧げている。ユダヤ教の祭祀長ザッカーリアが、人質となっているナブッコの娘フェネーナを連れて入ってくる。祭祀長は「神は我々をお見捨てにはならない」と民を励まし、人々と退出すると、エルサレムの王の甥イズマエーレとフェネーナが二人きりになる。かつてイズマエーレがバビロンで捕虜となっていた時から、二人は愛し合っていた。フェネーナは彼の逃亡を助け、彼を追ってエルサレムまで来て人質となっているのだった。そこへフェネーナの異母姉妹アビガイッレが、ヘブライ人に変装したバビロニアの兵士を従えて乗り込んできて、二人の会話は中断される。アビガイッレもまたイズマエーレに好意を持っている。「もし私の愛に応えてくれればあなたの民を助けてあげましょう」と持ちかけるが、イズマエーレは断る。ヘブライ人が神殿に逃げ込んできて大混乱になる。兵を率いたナブッコ王がとうとう神殿に乗り込んできた。祭祀長ザッカーリアはフェネーナを盾にとってナブッコと対峙するが、イズマエーレが祭祀長の武器を取り上げてフェネーナを父親に引き渡してしまう。ナブッコは神殿の破壊を命じる。

 

第二部

ナブッコはフェネーナを摂政とし、留守を任せて戦に出ている。バビロンの王宮に戻ったアビガイッレは、ある文書から自分実の両親は奴隷であったことを知ってしまう。フェネーナとイズマエーレが仲睦まじくバビロニアを統治する姿を想像したアビガイッレは、ナブッコとフェネーナに対する復讐を誓う。そこへバアル教の大司教が来て、フェネーナがヘブライ人捕虜を勝手に釈放していると報告する。そのような行為は国家反逆罪であるから、フェネーナを排してアビガイッレが王座に就くべきだと勧め、ナブッコ王がすでに戦死したという噂を流すよう提案する。

 

王宮の別の場所では、ザッカーリアが、バビロニア人に偶像崇拝のバアル教を捨てさせるにはどうしたらよいか、とユダヤ教の神に霊感を求めて祈りを捧げている。イズマエーレが入って来ると、レヴィ人たちがフェネーナを逃がした裏切りを責めたてる。しかしザッカーリアが、彼女はユダヤ教に改宗したので今や我々の同胞であり、イズマエーレの行為は赦されたと告げる。そこにナブッコ王の家臣が飛び込んできて、王が亡くなり、フェネーナの身に危険が迫っていることを伝えた。逃げる間もなく、バアル教の大司教、アビガイッレ、バビロニア人たちがやって来て、アビガイッレこそ王座にふさわしいと宣言する。彼女が自らの頭上に王冠を戴こうとしたその時、ナブッコが現れて一同を驚かせる。彼女の手から王冠を奪うと、群衆に向かって「我こそはお前たちの王であり、神である」と宣言した。神への冒涜を口にしたナブッコは、稲妻に打たれて正気を失う。アビガイッレは勝ち誇って王冠を取り返す。

 

第三部

空中庭園。統治者となったアビガイッレがバビロニアの民の大歓迎を受ける。バアル教の大司教は、ヘブライ人捕虜を処刑するようアビガイッレを促す。しかしその命令を下そうとすると、惨めな姿をしたナブッコが現れる。アビガイッレは人々を下がらせて、ナブッコと二人きりになると、彼を騙して捕虜の死刑執行令状に署名をさせる。娘はどうなるのかと尋ねられると、フェネーナも処刑されると告げる。ナブッコが、アビガイッレの出自を証明する文書を突きつけようと探すと、アビガイッレは盗んで隠し持っていたその文書を取り出して、目の前で破いてしまう。ナブッコは、フェネーナの命乞いをするが、聞き入れられない。

 

ユーフラテス川の河岸。強制労働の合間に休憩を取りながら、ヘブライ人捕虜が祖国に思いを馳せる。祭祀長ザッカーリアは、いずれ解放され、神の力添えを得てバビロンを破壊する日が来る、と予言する。

 

第四部

ナブッコはアビガイッレによって自分の部屋に幽閉されている。窓からフェネーナとヘブライ人捕虜が処刑場に連れて行かれるのが見える。ナブッコはユダヤ教の神に必死の思いで許しを請い、自分自身とバビロニアの民をユダヤ教に改宗させることを誓う。正気を取り戻したナブッコは、扉を破り、王座と娘を奪還すべく、兵士を呼び集めた。

 

ヘブライ人捕虜が処刑されようとしている。フェネーナが天国に召されるよう祈りを捧げているところへ、ナブッコが飛び込んできて死刑を止める。後悔の念にかられたアビガイッレは毒をあおり、自らの罪を告白し、ユダヤ教の神に許しを請いながら絶命する。ナブッコは自らがユダヤ教に改宗したことを宣言し、ヘブライ人を釈放し、生まれ故郷へ帰って神殿を再建するよう告げる。ヘブライ人とバビロニア人はこぞってユダヤ教の神を称える。